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赤瓦の里に行きました。

2015/09/12

「石川県加賀市赤瓦景観セミナーに参加して」

同じ日本でも東広島市と加賀市は随分違いました。

 

9月5日に石川県加賀市で行われた赤瓦景観の里セミナーに参加してきました。

この日ばかりは赤瓦に特化したセミナーで、普段の会話では出てこないようなマニアックの内容でありました。

赤瓦景観から始まり城下町の都市計画の話など大変勉強になりました。

全国には赤瓦に対する同じ想いをもつ人たちがいることに、これからの取り組みに向けて強い自信と心の支えになりました。

セミナー終了後、加賀市の大聖寺からスタートする、まちなみ散策をして頂きました。

石川県は戦争による被害もなく歴史的な建物も多く残っており、また市も住民も、この景観保全に対する意識があり東広島とは違う感じがしました。

加賀市の景観計画 https://www.city.kaga.ishikawa.jp/data/open/cnt/3/1734/1/zentai.pdf

景観は追及していくと本当に大切な分野だと感じます。東広島市も取り組むべきだと強く感じました。

東広島市民としてとても羨ましかったです。

現地の写真を一部紹介します。

加賀市も東広島市と同じように赤瓦の多いまちです。

この建物はとても趣があり、しっくいのくすみ具合もとても味わいがあります。

何故かかわいい家です。外壁の張り方も特徴があります。

重要伝統的建造物群保存地区の加賀市橋立です。

「おしい」景観として、この石畳は当時の再現ではないそうです。教わって初めて気づき考えさせられました。

この建物の特徴として二階の壁の下端が瓦の形に合わせ形取られています。当時はこの施工方法でないと屋根が納まらなかったそうです。

今となればとても個性があり、珍しい仕上げ方です。

大聖寺時鐘

2代藩主前田利明によって1667年に建てられました。度々火災にあい最後は平成15年に再建されました。

大聖寺で子どもたちのために生涯を掛けて一生懸命景観まちづくりをされている瀬戸さんの話によりますと、市民の寄付金で再建されたそうです。びっくりです。

歴史を継承することで文化を繋げる。これこそが伝統を生み郷土愛に繋がります。

市営新川住宅です。郷土色を生かした建物です。なんとこの建物たちはパッと見は同じですが、ひとつずつ微妙に細部の形が違うみたいです。更には建てられている角度も微妙に変えて変化を出しているそうです。

「単調さ」をなくすため繊細な配慮がされています。また昔の家々も繊細な部分は当時の職人さんの見せ所で、仕上げ方が、それぞれ違うみたいです。

重要伝統的建造物群保存地区の大土です。外壁は独特の板の張り方をしています。無塗装ですが、時が経てば風合いが出ると思います。

セミナー含め、今回初めて石川県を訪れました。想像していたより石川県は和文化がしっかり残っており、またこれからも大事にしていこうという風潮があると感じました。そして、景観も重要視しており、その結果が様々なところで表れていると感じました。また住民の意識も地域の個性をより大事にして後世に残そうとしているのが感じ取れました。再現や修正された場所はあちこちにあるのには大変驚き感動しました。

加賀市も東広島市も赤瓦が栄えた時期がありました。その始まりは明治ごろと割と最近であります。しかし、この個性ある景観が年々減ってきている現実があります。更に量産型の時代も終わり、質の時代へと日本も変化しています。これからの地域の特色を生かすためにはこの赤瓦は非常に大きな役目を果たすと思います。今後この価値観を少しずつでも広げていきたいと更に思いました。 

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