東広島の地域に密着した工務店

ブログ

昔の建築から見えてくるもの

2016/07/12

「建築士の日イベント 今では考えられない昔の人による本物の家づくり」

7月13日に高美が丘中学校にて出前授業を行ってきました。

主催は広島県建築士会東広島支部によるもので、主に青年女性委員会の会員によって企画、運営を行いました。当日の内容はこの裏面のようになってました。

第一部は広島大学博物館学芸職員の佐藤大規さんによる講演で「古い建物と日本人」と題し、主に昔の建物の紹介と昔の建築工法の説明や現存する古い建物に興味を持ってもらえるようなとても面白い内容でした。

第二部は大工、左官、瓦と3ブースに分かれそれぞれの実演と紹介を行いました。

まず、大工部門はこのような状況でありました。

丸太を担いでいます。昔の人は人力だけでされてたことを実感してもらいました。

楽しそうに一生懸命持ち上げていました。今ではレッカーなどで簡単に上げられますが、人力のころはほんとすごいです。

押鋸と言われる道具で切っています。電動工具ですと簡単に切れますが、なかなか切れません。

大工さんの実演です。子ども達はまだ見る機会が少ないはずですので実演しました。

昔の道具と今の道具を比較する意味は単に今がすごいというのではありません。昔からある素晴らしい技術が今も継承されていますが、このような技術のある大工さんが大変減ってきているという、これをなんとか後世に伝えたいという願いです。

また、電動工具など、機械化により工場で材料も作られてくるものが非常に多いのが現代ですが、早く大量につくることができる反面、それだけ地球の資源(エネルギー)を使用し続けているということも知ってもらいたかったのです。

左官部門は、土壁の仕組み、竹木舞組、土壁塗り、しっくい塗りを体験してもらいました。

これらの材料は全て自然素材であるため、役目を終えた後も自然に戻れる建材ばかりです。

しかし、今は自然に帰る材料でも埋め立て用の処分場に埋められるケースが多いです。

更に今はこのような工法でつくられる家は大変少ないので基本となる工法を知ってもらいました。

今の建材のほとんどは自然素材でつくられているものではなく、役目を終えた後は産業廃棄物になるものが非常に多いです。

左官コーナーはこのほか左官さんの技術という点で鏝絵なども披露しました。

また、現在、福富などでくつられていますアースバックハウスの紹介もしました。地球環境にやさしいものづくりという共通点であります。

次に瓦部門です。

本葺き瓦、和瓦、鬼瓦の紹介や実演でありました。

これまで鬼瓦の意味など考えたこともありませんでしたが、この形には意味があり家を守ってくれているという事でした。このように教えてもらえれば鬼瓦の価値もわかり伝え残していかなければと思います。

和瓦を丁寧に葺いている状況です。和瓦は日本で古来開発されたものだそうですが、もとは中国から本葺き瓦というものが伝わってきて、この瓦を改良したものが和瓦となり、今度は逆に中国に伝わっていったそうです。

こちらが本葺き瓦です。

次に瓦は土で出来ていますので寿命が来て役目を終えた後は、砕けば土に戻れるということを知ってほしいため実際に砕いてもらいました。

今回、このイベントを企画するにあたり多くの方の協力があり大変ありがたかったのと、共に共通の想いで開催できたことが大変うれしかったです。

また、子ども達も、今回をきっかけに何かを感じてもらい、考えることで成長に繋げてほしいと思いました。

<住まいの“改修(リノベーション)”・“修繕(リフォーム)”から、建物をより良く生かす“再生”まで>

<お問合せは こちらから>